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第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第26号
昭和五十一年八月二十六日(木曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 田中伊三次君
   理事 大橋 武夫君 理事 谷垣 專一君
   理事 中村 弘海君 理事 松永  光君
   理事 山下 元利君 理事 田中 武夫君
   理事 横路 孝弘君 理事 松本 善明君
   理事 坂井 弘一君
      上村千一郎君    内海 英男君
     小此木彦三郎君    小山 長規君
      佐藤 文生君    志賀  節君
      菅波  茂君    野田  毅君
      橋口  隆君    橋本龍太郎君
      古屋  亨君    渡部 恒三君
      稲葉 誠一君    大出  俊君
      細谷 治嘉君    松浦 利尚君
      安井 吉典君    山本 政弘君
      米田 東吾君    野間 友一君
      三浦  久君    鈴切 康雄君
      受田 新吉君    河村  勝君
      永末 英一君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 稻葉  修君
        大 蔵 大 臣 大平 正芳君
 委員外の出席者
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        大蔵省理財局次
        長       吉岡 孝行君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     小野 吉郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        専務理事)   山本  博君
        ロッキード問題
        に関する調査特
        別委員会調査室
        長       中里  煥君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月二十六日
 辞任         補欠選任
  宇都宮徳馬君     志賀  節君
  亀岡 高夫君     山下 元利君
  佐藤 文生君     橋本龍太郎君
  瀬戸山三男君     野田  毅君
  箕輪  登君     橋口  隆君
  渡部 恒三君    小此木彦三郎君
  大出  俊君     山本 政弘君
  斉藤 正男君     細谷 治嘉君
  楢崎弥之助君     安井 吉典君
  庄司 幸助君     野間 友一君
  河村  勝君     受田 新吉君
同日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     渡部 恒三君
  志賀  節君     宇都宮徳馬君
  野田  毅君     瀬戸山三男君
  橋口  隆君     箕輪  登君
  橋本龍太郎君     佐藤 文生君
  細谷 治嘉君     米田 東吾君
  安井 吉典君     楢崎弥之助君
  山本 政弘君     大出  俊君
  野間 友一君     庄司 幸助君
  受田 新吉君     河村  勝君
同日
 辞任         補欠選任
  米田 東吾君     斉藤 正男君
同日
 理事亀岡高夫君同日委員辞任につき、その補欠
 として山下元利君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 証人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 ロッキード問題に関する件

 

○田中委員長 ロッキード問題に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人の出頭を要求する件についてお諮りをいたします。
 本件について、本日、委員会に参考人として、日本放送協会会長小野吉郎君及び日本放送協会専務理事山本博君の両君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定をいたしました。
    ―――――――――――――
○田中委員長 質疑の申し出があります。順次これを許します。まず、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 大平大蔵大臣が十一時までだそうでありますから、大蔵大臣の所管について、大変過去にさかのぼって恐縮ですが、やはりこれからロッキード事件等のこうした構造的な汚職が出てこないという歯どめのためにも、大蔵省の国有財産の管理問題についてこの際お尋ねをして、そういう事実についての、時間があれば大臣の見解を承りたいのですが、恐らく十一時までには終わらないと思いますから、その後はまた事務当局の方に質問しますので、事務当局の方から十分お聞きをいただきたいと思うのであります。
 実はこれから申し上げようとすることは、田中角榮前総理が大蔵大臣時代の問題であります。
御承知のように、これは十年前の話で大変恐縮でありますが、本問題は、脱税問題で決算委員会あるいは衆議院の逓信委員会等で議論をされた問題でありますが、そのたびごとに守秘義務で実はあいまいにされてきておる問題であります。
それは、昭和三十八年三月二十九日のワシントンハイツ地区の土地一部を日本放送協会放送センター用地に提供するという問題の絡みであります。
 大臣には政治的なお話をお尋ねしたいのでありますが、大体国有財産を売却する場合は、これは建設委員会等でも相当議論のあったところでありますが、国民の財産でありますから、国民が損をしないように適正な価格で国有財産というのは処分をする。
同時に、国が必要とする土地については最少価格で、できるだけ安い価格で購入をする。
これはやはり国有財産を管理する立場の、売買する場合の原則だと思うのですが、そういう点、大臣は御理解いただけますか。
○大平国務大臣 仰せのとおりだと心得ております。
○松浦(利)委員 ところが、これはNHKの会長が来ておられますから、NHKの会長にお尋ねをするのですが、この放送センター用地を取得する場合に、一部については現金で取得されて、一部についてはNHKが更地を取得して、それと等価交換をしたという事実になっておるのですが、その点、会長、間違いありませんか。
○小野参考人 お答え申し上げます。
 ただいま仰せのとおり、間違いございません。
 坪数を申し上げますと、全体で二万五千坪あるわけでございますけれども、いわゆる金銭によって買い上げましたものが二万坪でございます。
数字を丸くいたしますが。
あと五千坪ばかりが第二段階に残りまして、これが他の土地と交換、こういう形になっております。
○松浦(利)委員 会長、お尋ねをいたしますが、このオリンピックが終わった後取得をした等価交換の土地ですね。
それは一万九千坪、約二万坪を現金で取得をして、残りの五千坪についてNHKの方でどこか更地を求めて、そしてそれと交換をしましようという連絡があったのはいつごろでございますか。
その連絡をしてきたのは、当時のだれがNHKのだれにそういう連絡をなさいましたか。
○小野参考人 お答え申し上げます。
 約五千坪ばかりの等価交換、いわゆる土地の交換の買収方法につきましては、たしか三十八年の暮れあたりでございましたですか、このころに大蔵省の当時の管財局の国有財産第二課長の村田課長から、もういまやめておりませんけれども、NHKの経理局長の竹田局長のところに連絡がありまして、大蔵省としては金でもらうよりもいわゆる公務員住宅用地としてかっこうな土地が欲しい、その土地が稲毛にあるのでそれをNHKが買い取って、そしてお互いに評価し合った上で適正な交換をしよう、こういうことでごく事務的に話は進んだように聞いております。
会長、そのときにNHK側としては、現金でもいいし、あるいは等価交換でもいいから更地を求めてくれ、どちらの方にウェートがあったのですか。
○小野参考人 NHKとしてはただ土地を入手すればいいわけでございますので、現金で支払った方がよければそれでよかったわけでございます。
あるいは適正な価格でございますならば、これが非常なやはり損益にならなければ、いまの大蔵省の要望のような、他の土地をNHKが買いまして、それと交換という方法でも、これはどうでもいいわけでございますけれども、私どもは当初は現金で払うものと思っておったわけでございます。
○松浦(利)委員 そしたら、NHKは当初三十八年三月二十九日の閣議決定の段階では、第一回払い下げ、第二回払い下げとも、要するに取得すればいいのですから、現金で購入するというふうに理解しておったと思うのです。
ところが、突然、そこで大蔵省の管財局の方からNHKの方に、更地を取得して等価交換をしてくれという要請があったためにNHKがそういう努力をするわけですが、実はその土地が、現在千葉県船橋市稲毛海岸三丁目にある公務員住宅が千七百戸ぐらい建っておるところだと思うのであります。
 これは事務局にお尋ねをしておきますが、この土地謄本がありますが、この稲毛の土地はもともと千葉市が造成した、地方自治体が造成した土地ですね。その点は大蔵省間違いありませんね。
○吉岡説明員 お答えします。
 ただいまお話しのように、国が取得しました稲毛の土地は、当初千葉市が稲毛海岸を埋め立てて造成した土地を、国としてNHKの手を経て取得したものであります。
○松浦(利)委員 大蔵大臣、いまお話を聞きましたように、そのNHKが取得をして等価交換をした土地は、千葉市が、地方自治体が造成した土地なんですね。
そうなってくれば、等価交換をする場合は、当然、直接千葉市から購入するか、あるいは千葉市が指定した業者と直接取引した方がこれは安いということはおわかりになりますね。
どちらも、国の方の土地も国有財産、造成した土地も、これは地方自治体がつくった土地でありますから、そこで交換した方が交換は非常にスムーズだし、価格的にも安く購入できるということはおわかりになるでしょう、一般論としてですよ。
○大平国務大臣 まず、本件について、事実関係を事務当局からもう一度説明させます。
○松浦(利)委員 もう時間がないのです。
一般論として聞いておるのですよ。だから、事実関係ではなくて一般論としてどうですか。
○大平国務大臣 一般論といたしまして、できるだけ経済的に安く買い上げてまいる、手に入れるということが望ましいことは申すまでもないことでございますが、いまの場合どういう事情でございましたか、事実関係を明確にして判断させていただかなければならぬと思います。
○松浦(利)委員 だから、一般論としては私が言っておることが一番正しいと思うのです。
 それで大臣、これはもう時間がないのでお尋ねしておきますが――今度のは後で事務局とは十分議論をします。
 実はこの稲毛の土地を千葉市が造成をしまして、たまたま千葉市としては資金繰りに困ったために若松築港というところに現物支給の手続がとられたのです。
ですから、工事代金のかわりに千葉市が若松築港株式会社というところに工事費同等額として現物を支給したわけですね。
ところが、それを朝日土地というものに転売をしておるのです。
これはこの登記簿を見ればはっきりするのですが、転売をしておる。
そのときの転売価格が実は十億三千万円なんですね。ところが、それから三日、四日たちまして、小佐野さんの国際興業が中に入って、そしてNHKに渡すわけです。
その場合の価格がたった三日か四日で十二億九千七百九十一万円というふうにぽんとはね上がるのです。
それで結局NHKとしては、等価交換するならもっと早いところで押さえれば、少なくとも朝日土地からは十億三千万円、あるいは若松築港株式会社から土地を直接取得すれば六億七千万円ぐらいで取得できたものが、その間、国有財産関東地方審議会とか、あるいはNHKに対する土地を交換してもらいたいとかいうような動きが出てきて、途中に土地転がしが始まって、たった七カ月の間にこのNHKの土地が二倍になるのですよ。
しかも、稲毛の土地というのは、当初から国有財産関東地方審議会で公務員の宿舎にしたらどうかという審議会の答申が出ておるのですね。
しかも、審議会にかける前に、大蔵省の考え方としてこういう考え方がもうすでに極秘裏に出されておるわけです。
ところが、そういう手続を経て土地転がしがやられておる。
そうすると、あの国有財産は等価交換ですが、実質的な価格は約十四億ぐらいかかったので、等価交換してその差額分の一億幾らは現金でNHKが納めたんですね。
ところが、考えてみると、その安いときに買っておけば、NHKに十三億なら十三億で売って、そして十億なら十億で国が取得すれば、四億の税金をむだ遣いせずに済んだわけでしょう。
ですから、国有財産を処分する場合に、こういう等価交換とかなんとかという仕組みを利用して間にもうかる人が出てくる。
これは後から詳しくもっと事務当局と詰めますけれども、こういうことがこれからも行われるとすれば、結局このロッキード事件と同じで、要するに権力側と利権者とが結びついて利益を受ける者が出てくる、こういうことがやはり、断定はしませんけれども、そういう疑いが濃厚だということになれば、私はこういうやり方というのは根本的に改めるべきじゃないか。
しかも、田中前総理が大蔵大臣時代、小佐野さんという国際興業の社主という人も一応かんでおるという状況が私たちの調査では出てくる状況だ。
しかも、その土地はもともと地方自治団体がつくった、造成した土地なんですね。
民間が造成したんじゃないですよ、地方自治団体が造成をした土地。
そういう点を考えてまいりますと、私はやはりこの問題は大蔵大臣としても一遍徹底的に部内でチェックをして、そしてもし誤りがあったとすれば、私はこれはもう時効で、過去のことですから責任を云々しても仕方がありませんが、やはり改めていくべきだ、そういうふうに思うのですが、調べてみられて、そういう事実があれば改めていくというお考えがありますか、これについて。
○大平国務大臣 本件につきましては、松浦委員も仰せになりましたように、前々から問題として提起された案件のように私も記憶いたしております。
私は、その問題の土地が造成され、また移転されてまいりました経路は、仰せになりましたようないろんな経路があろうかと思いますけれども、国有財産の管理者が、管理当局といたしまして国有財産の交換をする場合、交換の時点において適正な価額で交換が成立するということでございますならば、そのとってまいりました手続、そのやり方に私は間違いはなかったと思うのであります。
しかしながら、あなたが仰せのように、これは事国有財産の管理でございまするので、慎重にやらなければならぬことはもとよりでございまするし、国家の利益のために周到な配慮をめぐらした上でやってまいらなければいかぬことは、このケースばかりでなく国有財産管理一般にわたりまして私どもが常に心がけてまいらなければならぬことでございまするので、国有財産の管理責任者といたしましては、仰せのとおり十分気をつけて、行政上瑕僅のないように配慮してまいるつもりでございます。
○松浦(利)委員 大臣、いま申されたことで結構ですが、これはもう一遍――過去に決算委員会、逓信委員会で脱税問題で議論されて、現実に国税庁の方は追徴しておるのですよ。
三億六千万近くの金について追徴を課しておるのです。
しかし、それは守秘義務ではっきりしておらぬわけですね。
しかし、そのことはもうすでに済んでおることですから、問題は、こうした国有財産の問題を利用して利権をあさっていくという行為が封じ込められるように、この問題はもっと徹底的に事務当局をして精査さして、チェックさして、そして問題点を明るみにするということはお考えになりませんか。
私はやってもらいたいと思うのですが、どうですか。


中略


○松浦(利)委員 結構です。
 大臣にもう少しお聞きしたいのですが、国政に用事があるそうですから……。
 それでは、NHKの小野会長も実はきょう御出張だそうですからあんまり長くお引きとめできませんので、まず会長にお尋ねをしますが、実はいまNHKにいろいろな意味で抗議の電話が来ておるそうでありますが、実は私も大変ショックを受けたわけであります。
御承知のように、いま何といったって最大の焦点はロッキード疑獄をいかに解明するか、こういうことだと思うのです。
そのためにはやはり、法務大臣を含めてお互いに私情を殺してその解明に一生懸命努力をしておるし、この委員会でもそうだと思う。
ところが、御承知のように、その渦中の中心であります田中角榮前総理、この方が外為法違反並びに受託収賄容疑で起訴されております。
この前保釈されたわけでありますが、あなたは二十四日、その田中前総理のところに訪問された。
しかもそのことは、特定の民放あるいはあらゆる夕刊の新聞に出ておる。
そういう問題について、NHKというのは少なくとも厳正中立という立場でロッキード事件も取り組んできておるのですね。
あなたのそういった行動そのことを国民が見て、NHKというものの体質、何かロッキード事件にNHKもかかわり合っておるのじゃないかという疑いを持つのは、私は当然だと思う。
しかも、抗議の電話がかかったらいまのNHKはどういうふうにこれの言いわけをしているかというと、いや、あれはNHK会長小野として行ったのではありません、小野個人が行ったのであります。
NHKと全く無関係ですという、そういう御答弁をしておるのだという、わが党の方にその抗議をした人たちからのまた抗議なんですね。
これで一体いいのかという。
こういう点について、まあ一方的に質問してはいけませんから、小野会長からひとつ答弁を求めたいと思います。
○小野参考人 お答え申し上げます。
 まことに御迷惑をおかけ申し上げまして、非常に恐縮に存じております。
実は二十四日に私がほんのお見舞いがてらに参りましたことは事実でございます。
これは全然NHKとはかかわりのない問題でございまして、私の心情から申しますとかかわりのない問題で、純然たる個人の立場で、ほんのお見舞いだけだったわけでございます。
これが真実でございます。
しかし、やはり世の中はそのようには、真実がそのようにそのまま素直に理解されるとは思いません。
そういうような意味合いから申しまして、あるいはそういうことが非を是とするのではないだろうか、あるいはNHKの会長の立場に私がおりますので、NHKの機関の性格に照らして、NHKの業務が曲がるのではないか、このような誤解とかあるいは疑惑を持たれることも非常に残念に思います。
これまた現実の事実でございます。
この現実の事実に立脚いたしまして、いろいろ反省をいたしてみますと、これは非常に当を得なかった不用意な軽率な行動であったと深く反省をいたしております。
こういうような意味合いから、私は真実、私の真実はほんの個人としてのお見舞いにすぎなかったわけでございますけれども、それがそのまま世の中に通らないということになれば、NHK会長としてあるいは私個人としても、世間から疑惑あるいは誤解の目をもって見られることは、これは非常に避けなければならない重大な問題であろうと思います。
そういうような見地から申しまして、今後はそういう面について一点の疑惑、誤解を受けることのないように、心情は心情として身を慎んで善処をいたしてまいりたいと思っておりますので、何とぞ御了承をいただきたいと思います。
○松浦(利)委員 私は先ほどから言うように、法務大臣だって私情において忍びないと思うのですよ。
それは総理大臣であり、お互いに自民党の議員ですから、それを逮捕させたということはやはり私情としては忍びない。
しかし、実際にあなた自身も田中さんとのかかわりは非常に深いですよね。
郵政大臣時代の事務次官だったし、あるいはNHKの副会長になるときの御推薦もあったしというように、いろいろな意味で、それは――そのことと現実とは無関係だと思う。
しかもあなたは現実的にNHKの会長であること自体も間違いないのですから、おやめになってそして行かれるならこれは自由ですけれども、公的機関、NHKという機関の長でありますから、そうすると、あなた自身の行動によってNHK全体が誤解を生むということは、これは私は大変な問題だと思うのです。
しかもこの問題はNHKの料金値上げを議論した際に、すでに会長、与野党を通じて、このことは厳正中立だ、NHKはあくまでも厳正中立でいかなければならぬということはあのとき何十時間かけて議論をしたはずなんです。
しかもNHKはそれを全国に放送したわけですね、各党の主張を全部。
そして、そういうふうにしていきます。
NHKの料金値上げについてはだから承認されたので協力してくださいと、こう言われた。
ところが、その会長が、実は先ほど、りっぱだと言う人もおりますよ、しかしそれは一部でしょう、常識のある人たちは恐らくNHK会長のとられた行動については、私は批判が集中しておると思うのです。
だから抗議があちこちから多いと思うのですよ。
ですからいまここで御答弁なさったのですが、こういうことはやはり厳にこれからも慎んでもらいたい。
ですから、その点をもう一回、もう二度とこういうことのないように明確にここで答弁をしていただいて、そして御出張だそうですから御退席ください。
○小野参考人 私は公私を分かたず非を非とし、あるいはNHKの厳正公正の道はかたく守ります、こういうことは先回の予算審議の際にもお約束申し上げたわけでございます。
この点について何らの変わりはございません。
今後もそういったような面で、そのためには私自身を殺しても厳正中立は守っていかなければならぬ、かたくそう信じております。
今回のそれにつきましても、そういうような気持ちには毛頭変わりはないのでございますけれども、やはりいろいろな誤解を生み、疑惑を受けることはこれまた私も反省をいたしております。
幾ら純個人的な問題で、NHKとは全然切り離した、一つの自分の心情としてはただ単なる個人、小野吉郎個人としてのお見舞いであったと申しましても、世間ではそれで通用しない面もあろうかと思います。
これはまことに私の不行き届きな点でございまして、今後におきましては一切こういうことの誤解なり疑惑を受けることのないように、本当に私の信条が、国民の厳正中立な報道機関としての使命を果たし得るようなその信念を持っております。
それが誤解の目をもって見られないように善処してまいりたいと思います。
何分よろしく御了承いただきたいと思います。
(「きょうのあなたのその答弁は、ちゃんと今夜ニュースで流しますね」と呼ぶ者あり)
○松浦(利)委員 いまのは不規則発言ですから……。
 御出張があるようですから、どうぞ御退席ください。


中略

○松浦(利)委員 それでは大蔵省の方に、先ほど保留した事実の関係について確認していきたいと思います。
 三十八年三月二十九日ワシントンハイツ地区の土地の一部を日本放送協会放送センター用地に提供すること、このことについて閣議決定があったことは間違いありませんですね。
○吉岡説明員 そのとおりであります。
○松浦(利)委員 その手続に従って、オリンピックの前に第一回分として一万九千坪を十七億円で払い下げ、第二回が五千八百七十七坪約十三億円相当と等価交換をした、こういう点、事実について間違いありませんか。
○吉岡説明員 お答えします。
 全体約二万五千坪のうち、当初の第一回分として一万八千坪が三十八年四月十三日に売買、その分についても一部、交換で処分している場合があります。
それから二回目の残余の分について、三十九年十二月二十八日に、お尋ねの千葉市稲毛の土地と交換したわけであります。
○松浦(利)委員 三十八年三月二十九日閣議決定をした後、稲毛の埋め立て完了は謄本によりますと三十九年五月十四日と、こういうふうになっておりますが、この点は間違いありませんですね。
○吉岡説明員 千葉市により保存登記が行われておるのは、お尋ねのように三十九年五月十四日であります。
○松浦(利)委員 次長にお尋ねをいたしますが、三十八年三月二十九日の閣議決定した段階では、いまの謄本から見て、まだ埋め立てが完了しておらなかったわけですから、それはもう架空の土地だ、全然そういう土地はなかったということは大蔵当局も認められますね。
○吉岡説明員 三十八年三月二十九日の閣議決定は、東京オリンピックの終了後その代々木の土地をNHK放送センター用地として提供するという方針を決めたものでありまして、それで、それは交換とか、そういうことを決めておるわけではありません。
○松浦(利)委員 次長、そういうことを聞いているのじゃないのですよ。
そのときには、まだ千葉の土地はできていなかったでしょう、完了していなかったでしょう、いまの日時から言えば。そうでしょう。
○吉岡説明員 ただいまお答えいたしましたように、千葉市により保存登記が行われましたのが三十九年五月十四日であり、閣議決定が三十八年でありますので、そのときはまだ正式には、その土地というのは存在していなかったということです。
○松浦(利)委員 それで、小野会長が先ほど言われたように当然、当初はNHKは全部現金で購入するというふうに思っておったことは間違いないのですから、当初、払い下げるという土地について大蔵省とどういう議論があったかは別にして、NHK側は、先ほど会長が言われたように、現金で購入するというふうに思っておった、そういうことは間違いない事実だと思うのです。
そこで、歴史的な経過ですが、その埋め立て完了した後、三十九年十一月の二十一日、国有財産関東地方審議会において、この土地とそれから千葉市が埋め立てた土地との交換という問題が議論されて、審議会でそういう結論が出たということについては間違いありませんね。
○吉岡説明員 三十九年十一月二十五日に国有財産関東地方審議会において本件の交換処理について了承を得ております。
○松浦(利)委員 それから、この前、国税庁との間でも同僚議員が議論をしておるのですが、当初、千葉市がつくった造成地を、土地造成費の見返りとして若松築港株式会社に渡したということについては、大蔵省当局も、すでに調査でおわかりになっておるはずですが、わかっておられますか。
○吉岡説明員 登記の上では当初、三十九年五月十四日に千葉市によって保存登記がなされて、その後、朝日土地興業に売られているということになっております。
○松浦(利)委員 謄本上の問題はそれでいいのですが、若松築港株式会社に支払われて、即座に朝日土地の方に売られておるのですが、それはあなたの方はすでに知っておられますか、こう聞いているのです。
○吉岡説明員 そのような話は聞いております。
○松浦(利)委員 それも調べてください。調べてくれますか。若松築港にいっておるということを調べてくれますか。
○田中委員長 調べができますか。
○松浦(利)委員 千葉市に聞けば、すぐわかるはずです。
○田中委員長 登記の名簿でわかるんじゃありませんか。
○松浦(利)委員 登記の名簿にはないのです。出ておらぬのです。
○田中委員長 調べて後日、報告できますか。
○吉岡説明員 登記の上では、ただいま申し上げましたように、朝日土地興業が買っておるわけでありますが、その間に若松築港がどういうあれか、調べて実態がどういうことか、わかるかどうか一応、調べさせていただきます。
○松浦(利)委員 そういう点はちゃんと調べようと思えば、千葉市が工事相当額として若松築港株式会社に渡しているわけだから、千葉市に聞けば、すぐわかるのですよ。
そういうのをちゅうちょすること自体が私はおかしいと思うのです。
そして、これでいきますと若松築港から朝日土地に渡されておるわけですが、その後、朝日土地から日本放送協会へ、そして日本放送協会から大蔵省へという登記になっておりますね。
それは登記どおりですから、そのことはお認めになりますね。
○吉岡説明員 朝日土地興業から三十九年十二月三日にNHKの方に売られておるわけであります。
○松浦(利)委員 先ほど申し上げましたように、当初、若松築港に渡ったときの金額は、これは千葉市の方を調べていただけばわかるのですが、六億二千三百四十万円だったのですね。
工事相当額として払われた額が六億二千三百四十万円。
それが朝日土地に移ったときには十億三千万円、そしてその後、国有財産関東地方審議会等が開かれる直前、そういった状況の中で今度は国際興業がNHKとの中に入って、そして最終的には十二億九千七百九十一万円で、この土地をNHKが取得をしておるわけですね。
ですから、この最終的に十二億九千七百九十一万円でNHKが取得したということについては、大蔵省の方は御存じですか。
○吉岡説明員 稲毛の土地の取得価格は十二億九千六百四万五千円であります。
○松浦(利)委員 いま大蔵省にも調査方を依頼いたしましたが、私の方が不思議に思うのは、千葉市が造成をした土地、しかも三十八年三月二十九日の閣議決定のときには、NHKの会長が考えておるように、全部現金で取得できるものと思っておったが、その後、千葉の造成地ができ上がって、そしてその間、国有財産関東地方審議会の議を経ると、この稲尾の土地をNHKが取得をして等価交換をしたらどうかというふうに方針が変わっていくわけですけれども、その方針が変わったことによって若松築港が六億二千三百四十万、朝日土地に渡ったときに十億三千万円、それに国際興業がかんでNHKが取得したときには十二億九千七百九十一万円という額に上がっていくわけですね。
そして等価交換をしますが、最終的に代々木の土地の方が高いということで差額金を現金としてNHKから徴収しておるわけです。
ですから、NHKとしては代々木の土地が渡ればいいわけですから、NHK自体にはそんなに問題はない、等価交換であろうと何であろうと、国が言う十三億六千三百十九万一千百円に見合う土地を提供しさえすればいいわけですから。
問題になるのは、国が等価交換をするということの前に、当然、千葉の稲毛の土地を千葉の地方自治団体から購入する、あるいは直接、朝日土地なら朝日土地から購入する、そういう手続をとっておけば、国は差し引きプラスマイナス三億円近くの税金の持ち出しをしなくて済んだはずなんですよ、十億で済むのですから。
あるいは若松築港株式会社から直接入れれば、工事費プラス幾らかで、少なくとも朝日土地が取得をした十億三千万円くらいでは買えるわけです。
ですから逆に言うと、国民はむだな税金を払ったということになるわけですね。
私たちは素人ですから、簡単に言うとNHKに十三億で土地を売って、そして、その十三億で稲毛の土地を十億で買えば三億、大蔵省はいいではないか、こういう理解をするのは私は当然だと思う。
 ですから、この稲毛の土地の問題は、国税庁が税金問題でいろいろ議論をして、すでに決算委員会等で税金問題としては議論されておるわけですが、問題があるのは、こういう国有財産の処分の仕方について利権が介在をすることに対する疑惑というのは一つも取れておらない。
いろいろな言い方があるのですよ。
間違った手続をしたと私は言うつもりはありませんよ。
さっき大蔵大臣が言っておるように、事務局は手続に従って等価交換をしたから手続上誤りはない、こう言っておられるのだから、誤りがないことは認めるけれども、しかし、そういうことがいつまでも残っておると利権が入り込む余地というのがあるから、この点をもう一遍、全部きれいに精査をしてみて、どういう点に問題があったかということを明らかにしてもらいたい、これが実はさっき大臣に申し上げた内容なんです。その点について大臣の先ほどの御答弁に従って事務当局としても、こんな疑惑が起こってくる問題点はどこかということをチェックをする、そして二度とこういうことがないように、誤解を生むことがないように、これから国有財産の管理というものはびしっとする、そういうことについては事務当局としてお約束していただけますね。もう時間がありませんから、そのことだけ御答弁願います。
○吉岡説明員 三十八年三月二十九日の閣議決定の段階においては、先ほど申し上げましたように、国としては、その土地を交換によりNHKに渡すということを決めておったわけではありません。それで先ほどNHKの会長の方から申し上げましたように、現金で買う予定をしておった。NHKの方の御予定がどうであったかは存じませんが、国有地の活用の方法としまして、いわゆる国有財産法二十七条に交換という制度が認められておるわけであります。それはいろいろ国有地というものが、その位置、環境等から見て、そのまま公用に供することが適当でないと認められる場合には、これをより有効に利用する者との間で、国が必要とする他の適地を交換取得して、それを利用するという制度があるわけです。そういうことで、三十九年の段階において交換契約を結んだわけでありまして、その時点において、交換によりNHKに渡す土地、それからNHKから取得する土地を同時に適正に評価して交換したものでありまして、それ以前の経緯については、その登記簿等に出ておりますものは別にしまして、われわれとしては存知していないわけであります。
○松浦(利)委員 いまの次長の答弁は、おれたちのやったことは正しいと言っておるのです。
だから私は、さっきから言うように、事務手続は間違いなかった、こう言っておるのですよ。
何もそのことを責めておるつもりはないのです。
ただ、そういうことがいつまでも残っておると――たった七カ月で二倍になるのですよ。
六億七千万の土地が十二億になるのですよ、たった七カ月で。
しかも、なぜ七カ月で二倍になるかというと、どうも国がこの土地を買うらしいという動きがあったから、ばばばっと転がしが始まって上がっていくのですよ。
そういうことが今後ないようにするためにチェックしてくださいよと言っておるのに、正しいんだ、正しいんだ、こう言っておれば、あなたと議論はかみ合わないですよ。
いつまでたったって、こういう事態がまた起こって、また土地を交換するときには、どうもあれはおかしいぞ、調べてみれば、やっぱり何か事前に漏れて、おかしなことで土地が上がっていったぞ、そういう疑いを国民に抱かせるだけだと思うのですよ。
 私はそういうことを聞いておるんじゃないのですよ。
あなた方がやったことは、事務的に正しかったことは正しかったと認めておる。
今度のロッキード事件だって、運輸省の官吏の人たちは、自分たちは悪かったと、ここで言った人は一人もおらぬのですよ。
だれもおらぬのですよ、運輸省の航空局の人は。
しかし、現実にこういう問題が起こったでしょう。あなたも、いま同じことを言っているんだ。
私たちは手続上、全く誤りはありません、誤りはありません、こう言っておられる。
しかし、現実は裏側をひんむいてみると、こういう事実があるから、こういうことが起こらないように歯どめをかけていくためにチェックをして、これからはやってくださいよ、こう言っているのに、あなたは依然として正しい、正しい、こう言っておるだけですから、そういう感覚であるなら幾ら議論してもかみ合わないですよ。
大臣は前向きに検討すると言ったんだから、あなたは事務当局としては、その大臣の答弁に反抗するわけですか。
○田中委員長 吉岡君、ちょっと。
 手続に誤りはなかった、これは質問をしておる松浦君も御承認になっておる、大臣も言っておる、私が聞いてもそう思う。
中間を省略しておったら要らぬ金を使わないでいいじゃないか、中間省略の道があったのじゃないかということをよく検討してみて――昔のことでもあるから、ここで、にわかにできますまい。
検討をしてみて報告をするようにしたらどうですか。
これは大事なことである。国会でこういう大事な発言があると慎重がいい。どうですか。
○吉岡説明員 交換制度につきましては、その運用上いろいろいま御指摘のような問題もある、いろいろ疑惑を招くような問題があるということで、その後、その運用につきましては、さらに厳格を期しまして、交換の相手方等についてはさらに制限する等、いろいろ運用を厳格にしてきておるわけですが、今後もそういった点については、さらに十分厳正を期していきたい、こう思っております

以下 略

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