9~5, 公共建物株式会社 判決文
副本
平成21年6月24日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成21年(ワ)第8630号 告知文掲載請求事件
口頭弁論終結日 平成21年5月11日
判決
東京都●●区●●
原告 M子
東京都中央区京橋2-4-12
被告 公共建物株式会社
同 代表取締役 山下耕平
同訴訟代理人弁護士 島田邦雄
同 H
同 I
同 A
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 被告会社は,日本経済新聞・平日・全国版朝刊(Jスペース)にておいて,
本件,個人情報不正入手に関する事実の告知文を掲載せよ。
2 被告会社は,自社ウェブページ(http://www.kokyotatemono.co.jp/)に,判決確定の日から一年間,本件,個人情報不正入手に関する事実の告知文を掲載せよ。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決,並びに仮執行の宣言を求める。
第2 事案の概要
1 本件は,原告が,被告従業員が被告役員に依頼して株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」という。)から,原告および原告の母親の個人情報を不正に入手し,被告従業員が原告に対し嫌がらせ等の行為をしているところ,被告はこのような個人情報の不正入手を隠蔽しており再発の危険があるから,現行の自己防衛のために人格権に基づき,被告に対し,個人情報不正入手に関する事実の告知文の掲載を求めた事案である。
これに対し,被告は,被告従業員や役員による個人情報不正入手の事実はないし,仮にみずほ銀行が個人情報を被告の従業員や役員に対して漏洩したとしても被告の責任ではないとして争った。
2 争点に対する当事者の主張
(1) 原告の主張
ア 被告の元経理部次長I・T雄(原告がアルバイトで行うパソコンレッスンの生徒。以下「I」という。)は,平成18年7月5日から同年9月5日までの間に,上司である被告経理担当常務取締役N益利(以下「N」という。)に依頼して,みずほ銀行八重洲口支店行員O(以下「O」という。)から,原告及び原告の母Y子の個人情報(口座開設支店名,口座番号,住所,生年月日,家族構成,口座利用支店名,利用ATM,取引先,金額及びY子の個人情報等)を不正に入手した。
Iは上記のとおり入手した原告の個人情報を小出しに適示し,原告に対する嫌がらせ,脅迫行為を継続し,プライバシーを侵害している。
個人情報の入手や窃取は,みずほ銀行行員の背任及び不正競争防止法違反行為に当たり,Iはその教唆犯又は共同正犯,Nはその幇助犯に当たる。
イ 被告は,違法行為による人権侵害を収束させる義務がある。
しかるに,被告は,過去にあったIの不正の暴露を恐れ,個人情報不正入手について十分な調査処分を行わず,かえってこれに加担して,犯罪行為を意図的に隠蔽しており,その結果,現在も重大な人権侵害が継続され,再発の危険にさらされている。
このように,被告はIの上記違法行為に事後的に関与し,不正行為の隠蔽行為をしているから,従犯に当たる。
ウ よって,原告は,緊急避難を目的とした自己防衛のために,人格権に基づく妨害排除及び妨害予防請求権に基づき,被告に対して,個人情報不正入手に関する事実の告知文の掲載を求める。
(2) 被告の主張
原告の主張を否認ないし争う。
被告の従業員または役員は,取引先銀行であるみずほ銀行から原告に関する個人情報を入手したことも受領したこともない。仮に,みずほ銀行が情報漏洩したとしても被告の責任ではない。
第3 当裁判所の判断
1 原告は,被告の元従業員Iが被告取締役のNに依頼して,原告の取引先であるみずほ銀行八重洲口店法人営業第3課Oから原告及び原告の母Y子の個人情報を不正に入手したと主張する。しかし,原告の上記主張は,原告がIからそのように聞いたというもので伝聞に過ぎない。※a
しかも,被告取締役がその部下から要望されたからといって,銀行に対し他人の個人情報の開示を依頼するなどという事態は想定し難く,原告の上記主張は,話として不自然である。※b
原告は,上記主張に沿う証拠として録音テープの反訳書と称する書面(甲第1の1から3まで)を提出するけれども,上記主張に一部沿うかのような部分があるにとどまる。※c
かえって,Iが,原告に宛てたものとして原告が提出する手紙(甲8)には,「Nに依頼してOに一度だけ会ったことはあるが,原告のことを知るためではなかった」旨記載されている※dし,甲7号証の5(被告代理人弁護士作成に係る平成21年10月8日付回答書)にも「被告が本件に関する社内調査としては,N取締役及び元従業員Iに対し,銀行を通じた原告に関する個人情報の取得についての事情聴取等を実施したこと※e,その結果,IがN取締役に依頼し銀行を通じて原告に関する個人情報を取得しようとした事実はないことを確認している」旨記載されており,これらの証拠と対比しても,原告の上記主張は採用することができない。他に原告の上記主張事実を認めるに足りる証拠はない。
2 この点をおき,I及びNの上記個人情報不正入手行為につき被告が事後的に関与した旨の原告の主張についても判断しておく。
原告の上記主張の趣旨は必ずしも明らかではないが※f,原告が被告に対し,IやNによる個人情報不正入手の件につき,事情を解明して説明するように求めてもこれに応じないとし,これをもって被告が隠蔽したものであると主張するもののようである。しかし原告の主張によっても,IやNの行為は被告の従業員や取締役の職務とは無関係に行われたものである。※g
被告は,このような被告の従業員や取締役が被告と無関係にした行為についてまでその事情を解明したり第三者である原告に対し説明すべき法的責任を負うとはいえないから,被告が原告の上記要求に応じなかったとしても何ら義務違反はなく,ましてや事後的に関与したことになるものでもない。他に被告が事後的に関与したことを認めるに足りる事情ないし証拠はない。
3 そもそも,使用者は被用者の行った本件個人情報不正入手に関する事実を新聞や自社のホームページにおいて公表すべき法律上の義務はない。緊急避難を目的とした自己防衛のためであることや,人格権に基づく妨害排除及び妨害予防請求権なるものは,上記義務の根拠になるものではない。したがって,現行の上記主張は,この点からも採用することができない。
よって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文の通り判決する。
東京地方裁判所民事第5部
*********************************************
裁判長に、ひとこと、言わせてください。
a
提出した録音反訳は伝聞に過ぎないとおっしゃる。
民亊では、証拠に制限は無いはず。
あれだけ詳しく社内の不正について話をする中で、不正入手についても話をしている。
その社内不正についても、スルーですか?
b 部下に頼まれたからといって、上司が銀行に聞くのは不自然とおっしゃっている。
公共建物の管理体制のいい加減さや、みずほ銀行との古くて深い特別な関係、
まさかI氏が原告M子に、個人情報の不正入手の経緯を喋ってしまうという誤算を考慮すれば、
考えられないことではない。
c 一部沿うかのような? 完全に沿っていると思いますが。
d I氏はO行員に一度しか会っていないというのは虚偽。
録音反訳の中に、「も、も、しょっちゅう来るよ。」「宝くじを買ってあげる」「管理者教育プロジェクトでいない」
「行内表彰を受けた」これだけで、4回以上、I氏とO行員は、会っていると自ら証言している録音があります。
私が京橋の公共本社を訪れ、I氏の個人情報不正入手や公共建物の不正書類の盗み出しや横領につい
て、公共建物側に訴えて後は、I氏は自分の立場を守ろうとするでしょう。
自分に不利なことは、苦し紛れに嘘をつく、当たり前の保身行為じゃないですか。
誰だって、危なくなれば、取り繕いますよ。
ですから、録音に残したのです。
I氏は、公共建物役員に、問い詰められたかもしれない。
そういう、自分を守る態勢に入った時の会話や手紙と、
何の構えもない時の私M子との会話を、同列に考えることができるでしょうか?
e 社長の個人的な秘密まで知り、その証拠を盗み出したI氏を、どうやって、社長が調査できるんでしょうか?
f 事後的に関与してます。
きちんと調査できない、うやむやにする、これが関与でなくてなんですか?
社内の不正や社長の個人的な秘密なんかがあるから、もみ消した、そういうことでしょう。
「必ずしも明らかでないが・・・?」
明らかでないなら、何も、そんなに急いで即日結審しなくても良かったのでは?
判決を左右する部分でないからでしょうか?
g 裁判長、私は一言もそんな主張はしていませんよ。
取締役の地位を利用してる、業務時間内に、社内から、メインバンクに問い合わせしてるんですから、
立派に、業務上じゃないですか?
9~5, 公共建物株式会社 判決文
副本
平成21年6月24日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成21年(ワ)第8630号 告知文掲載請求事件
口頭弁論終結日 平成21年5月11日
判決
東京都●●区●●
原告 M子
東京都中央区京橋2-4-12
被告 公共建物株式会社
同 代表取締役 山下耕平
同訴訟代理人弁護士 島田邦雄
同 H
同 I
同 A
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 被告会社は,日本経済新聞・平日・全国版朝刊(Jスペース)にておいて,
本件,個人情報不正入手に関する事実の告知文を掲載せよ。
2 被告会社は,自社ウェブページ(http://www.kokyotatemono.co.jp/)に,判決確定の日から一年間,本件,個人情報不正入手に関する事実の告知文を掲載せよ。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決,並びに仮執行の宣言を求める。
第2 事案の概要
1 本件は,原告が,被告従業員が被告役員に依頼して株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」という。)から,原告および原告の母親の個人情報を不正に入手し,被告従業員が原告に対し嫌がらせ等の行為をしているところ,被告はこのような個人情報の不正入手を隠蔽しており再発の危険があるから,現行の自己防衛のために人格権に基づき,被告に対し,個人情報不正入手に関する事実の告知文の掲載を求めた事案である。
これに対し,被告は,被告従業員や役員による個人情報不正入手の事実はないし,仮にみずほ銀行が個人情報を被告の従業員や役員に対して漏洩したとしても被告の責任ではないとして争った。
2 争点に対する当事者の主張
(1) 原告の主張
ア 被告の元経理部次長I・T雄(原告がアルバイトで行うパソコンレッスンの生徒。以下「I」という。)は,平成18年7月5日から同年9月5日までの間に,上司である被告経理担当常務取締役N益利(以下「N」という。)に依頼して,みずほ銀行八重洲口支店行員O(以下「O」という。)から,原告及び原告の母Y子の個人情報(口座開設支店名,口座番号,住所,生年月日,家族構成,口座利用支店名,利用ATM,取引先,金額及びY子の個人情報等)を不正に入手した。
Iは上記のとおり入手した原告の個人情報を小出しに適示し,原告に対する嫌がらせ,脅迫行為を継続し,プライバシーを侵害している。
個人情報の入手や窃取は,みずほ銀行行員の背任及び不正競争防止法違反行為に当たり,Iはその教唆犯又は共同正犯,Nはその幇助犯に当たる。
イ 被告は,違法行為による人権侵害を収束させる義務がある。
しかるに,被告は,過去にあったIの不正の暴露を恐れ,個人情報不正入手について十分な調査処分を行わず,かえってこれに加担して,犯罪行為を意図的に隠蔽しており,その結果,現在も重大な人権侵害が継続され,再発の危険にさらされている。
このように,被告はIの上記違法行為に事後的に関与し,不正行為の隠蔽行為をしているから,従犯に当たる。
ウ よって,原告は,緊急避難を目的とした自己防衛のために,人格権に基づく妨害排除及び妨害予防請求権に基づき,被告に対して,個人情報不正入手に関する事実の告知文の掲載を求める。
(2) 被告の主張
原告の主張を否認ないし争う。
被告の従業員または役員は,取引先銀行であるみずほ銀行から原告に関する個人情報を入手したことも受領したこともない。仮に,みずほ銀行が情報漏洩したとしても被告の責任ではない。
第3 当裁判所の判断
1 原告は,被告の元従業員Iが被告取締役のNに依頼して,原告の取引先であるみずほ銀行八重洲口店法人営業第3課Oから原告及び原告の母Y子の個人情報を不正に入手したと主張する。しかし,原告の上記主張は,原告がIからそのように聞いたというもので伝聞に過ぎない。※a 2 この点をおき,I及びNの上記個人情報不正入手行為につき被告が事後的に関与した旨の原告の主張についても判断しておく。
しかも,被告取締役がその部下から要望されたからといって,銀行に対し他人の個人情報の開示を依頼するなどという事態は想定し難く,原告の上記主張は,話として不自然である。※b
原告は,上記主張に沿う証拠として録音テープの反訳書と称する書面(甲第1の1から3まで)を提出するけれども,上記主張に一部沿うかのような部分があるにとどまる。※c
かえって,Iが,原告に宛てたものとして原告が提出する手紙(甲8)には,「Nに依頼してOに一度だけ会ったことはあるが,原告のことを知るためではなかった」旨記載されている※dし,甲7号証の5(被告代理人弁護士作成に係る平成21年10月8日付回答書)にも「被告が本件に関する社内調査としては,N取締役及び元従業員Iに対し,銀行を通じた原告に関する個人情報の取得についての事情聴取等を実施したこと※e,その結果,IがN取締役に依頼し銀行を通じて原告に関する個人情報を取得しようとした事実はないことを確認している」旨記載されており,これらの証拠と対比しても,原告の上記主張は採用することができない。他に原告の上記主張事実を認めるに足りる証拠はない。
原告の上記主張の趣旨は必ずしも明らかではないが※f,原告が被告に対し,IやNによる個人情報不正入手の件につき,事情を解明して説明するように求めてもこれに応じないとし,これをもって被告が隠蔽したものであると主張するもののようである。しかし原告の主張によっても,IやNの行為は被告の従業員や取締役の職務とは無関係に行われたものである。※g
被告は,このような被告の従業員や取締役が被告と無関係にした行為についてまでその事情を解明したり第三者である原告に対し説明すべき法的責任を負うとはいえないから,被告が原告の上記要求に応じなかったとしても何ら義務違反はなく,ましてや事後的に関与したことになるものでもない。他に被告が事後的に関与したことを認めるに足りる事情ないし証拠はない。
3 そもそも,使用者は被用者の行った本件個人情報不正入手に関する事実を新聞や自社のホームページにおいて公表すべき法律上の義務はない。緊急避難を目的とした自己防衛のためであることや,人格権に基づく妨害排除及び妨害予防請求権なるものは,上記義務の根拠になるものではない。したがって,現行の上記主張は,この点からも採用することができない。
よって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文の通り判決する。
東京地方裁判所民事第5部
*********************************************
裁判長に、ひとこと、言わせてください。
a
提出した録音反訳は伝聞に過ぎないとおっしゃる。
民亊では、証拠に制限は無いはず。
あれだけ詳しく社内の不正について話をする中で、不正入手についても話をしている。
その社内不正についても、スルーですか?
b 部下に頼まれたからといって、上司が銀行に聞くのは不自然とおっしゃっている。
公共建物の管理体制のいい加減さや、みずほ銀行との古くて深い特別な関係、
まさかI氏が原告M子に、個人情報の不正入手の経緯を喋ってしまうという誤算を考慮すれば、
考えられないことではない。
c 一部沿うかのような? 完全に沿っていると思いますが。
d I氏はO行員に一度しか会っていないというのは虚偽。
録音反訳の中に、「も、も、しょっちゅう来るよ。」「宝くじを買ってあげる」「管理者教育プロジェクトでいない」
「行内表彰を受けた」これだけで、4回以上、I氏とO行員は、会っていると自ら証言している録音があります。
私が京橋の公共本社を訪れ、I氏の個人情報不正入手や公共建物の不正書類の盗み出しや横領につい
て、公共建物側に訴えて後は、I氏は自分の立場を守ろうとするでしょう。
自分に不利なことは、苦し紛れに嘘をつく、当たり前の保身行為じゃないですか。
誰だって、危なくなれば、取り繕いますよ。
ですから、録音に残したのです。
I氏は、公共建物役員に、問い詰められたかもしれない。
そういう、自分を守る態勢に入った時の会話や手紙と、
何の構えもない時の私M子との会話を、同列に考えることができるでしょうか?
e 社長の個人的な秘密まで知り、その証拠を盗み出したI氏を、どうやって、社長が調査できるんでしょうか?
f 事後的に関与してます。
きちんと調査できない、うやむやにする、これが関与でなくてなんですか?
社内の不正や社長の個人的な秘密なんかがあるから、もみ消した、そういうことでしょう。
「必ずしも明らかでないが・・・?」
明らかでないなら、何も、そんなに急いで即日結審しなくても良かったのでは?
判決を左右する部分でないからでしょうか?
g 裁判長、私は一言もそんな主張はしていませんよ。
取締役の地位を利用してる、業務時間内に、社内から、メインバンクに問い合わせしてるんですから、
立派に、業務上じゃないですか?
