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9~1, 公共建物株式会社 訴状



平成21年度(ワ)8630号

副本

訴   状

平成21年3月18日


東京地方裁判所 民事部御中


                                   
原告  M子 

〒■■■-■■■■ 東京都■■■区■■丁目■番■号(送達場所)
          原     告       M子
            電話 ■■-■■■■-■■■■
            
       〒104-0031 東京都中央区京橋二丁目4番12号 
京橋第一生命ビル6階
          被     告    公共建物株式会社
          代表者代表取締役       山下耕平
            電話 03-3274-0011

告知文等請求事件
 
訴訟物の価額 317万6000円
貼用印紙額   2万1000円
予納郵券    6400円

請求の趣旨

1 被告会社は,日本経済新聞・平日・全国版朝刊(Jスペース)にておいて,
本件,個人情報不正入手に関する事実の告知文を掲載せよ。 

2 被告会社は,自社ウェブページ(http://www.kokyotatemono.co.jp/)に,判決確定の日から一年間,本件,個人情報不正入手に関する事実の告知文を掲載せよ。

3 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決,並びに仮執行の宣言を求める。



請求の原因

第1 <初めに>

本訴の利益は,人権である。
プライバシー権は,人格権の一つとして,憲法13条に保障されている基本的人権である。
何人も,個人に関する情報を,みだりに漏洩・侵害されず,自己の情報をコントロールする権利を有しているのである。
金融機関と無縁の生活を送ることが不可能な現代社会において,銀行業で取り扱う個人情報は,極めて秘匿性が高く,プライバシーの生命線と言っても過言ではない。
原告は,被告会社社員役員の違法行為により,取引先銀行から個人情報を不正に入手窃取され,プライバシー侵害を受けている。    
被告会社は,過去において為した不正の暴露を恐れ,個人情報不正入手について調査処分を行わず,逆に加担し,犯罪行為を意図的に隠蔽したのである。
その結果,現在も重大な人権侵害が継続され,再発の危険に曝されている。
個人情報不正入手窃取は,銀行員の背任行為に対する教唆若しくは共同正犯,並びに不正競争防止法に違反する犯罪行為である。 
被告会社は,係る違法行為による人権侵害を喫緊に収束させる作為義務を有している。

以下,個人情報不正入手,隠蔽行為の仔細を述べる。


<目次>
請求の趣旨・・・・・・・・・・・・・・2
請求の原因・・・・・・・・・・・・・・2

第1 <初めに>・・・・・・・・・・・・・・2
第2 <個人情報不正入手関係者について>・・・・・・・・・・・・・・5
第3 <不正入手の経緯>・・・・・・・・・・・・・・6
第4 <隠蔽行為>・・・・・・・・・・・・・・8
第5 <嫌がらせ・ストーカー行為>・・・・・・・・・・・・・・11
第6 <主な関係者の人的役割,性格・エピソード>・・・・・・・・・・・・・・15

第7 <隠蔽に至った動機>・・・・・・・・・・・・・・18
A 大手町ファーストスクエア・NTT土地等価交換・不正税務処理・贈賄・・・・・・・・・・・・・・21
B 役員持株会・・・・・・・・・・・・・・27
C 脱税・背任行為・・・・・・・・・・・・・・28
D 会計監査人との癒着・特別背任・・・・・・・・・・・・・・31
E 保険業法違反・・・・・・・・・・・・・・33
F 本家O家に対する利益供与,I氏の無登録投資助言及び一任勘定業務・・・・・・・・・・・・・・34
G ■■■■・・・・・・・・・・・・・・36
H 被告会社顧問弁護士 島田氏の所業について・・・・・・・・・・・・・・38

第8  <旧日本興業銀行(現みずほ銀行),アラビア石油の人的関係>・・・・・・・・・・・・・・40
第9  <企業体質>・・・・・・・・・・・・・・41
第10 <損害>・・・・・・・・・・・・・・44
第11 <立証責任の転換>・・・・・・・・・・・・・・48
第12 <人格権における妨害排除予防請求権について>・・・・・・・・・・・・・・49
第13 <公表義務>・・・・・・・・・・・・・・50
第14 <結語>・・・・・・・・・・・・・・53
証拠方法・・・・・・・・・・・・・・54


 第2 <個人情報不正入手関係者について>

公共建物株式会社(以下 被告会社)は,訴状肩書地において不動産賃貸・販売・管理業を経営している。
訴外I氏(以下 I氏)は,被告会社元経理部次長であり,現在は投資助言業を営んでいる。
I氏は,被告会社退職前から投資助言業を営み,原告は顧客として,投資に関する助言を受け,投資情報に関する資料を購入した。 
訴外N氏(以下 N氏)は,被告会社経理担当常務取締役であり,I氏経理部在籍中は,直属の上司であった。

原告は,アルバイトとしてパソコンのレッスンを行っており,I氏は生徒の一人である。 


 第3 <不正入手の経緯>

{1} 被告会社元社員I氏は,上司N氏取締役に依頼し,取引先である訴外みずほ銀行八重洲店法人営業第3課,訴外O行員(以下 O行員)より,原告および母Y子の個人情報を不正に入手した。

{2} 入手時期は,O行員が,みずほ銀行八重洲口支店に着任した平成18年7月5日から,原告がI氏から最初に脅迫を受けた同年9月5日の間と推測される。

{3} I氏は被告会社社内おいて,上司N氏取締役に対し,再婚相手の身元調査と虚偽を告げ,情報入手の仲介・口添えを依頼した。  

{4} 依頼を受けたN氏取締役は,自席から架電し,みずほ銀行行員O行員に仲介・取り次ぎ,電話を代わったI氏が,原告の氏名を告げ,個人情報抽出を依頼した。

{5} みずほ銀行行員O行員は,銀行内のシステムから短時間のうちに原告の個人情報を抽出し,付随して母Y子の情報と共に,N氏宛に電話を折り返し,漏洩した。I氏本人は,N氏の電話に代わり,O行員から直接,原告の情報を受けた。
不正入手の経緯は,I氏自らの証言として,録音テープに記録を残した。
(反訳書 甲第1号証-1 甲第1号証-2 甲第1号証-3 他)

{6} 原告が,I氏から適示された個人情報は,口座開設支店名・口座番号・住所・生年月日・家族構成など属性情報・口座利用支店名・利用ATM・取引先・金額等,及び同じく母Y子の個人情報である。

{7} I氏は,不正に入手した個人情報を小出しに適示し,嫌がらせ・脅迫行為を繰り返した。現在においても,その行為は継続されている。


(背景)
I氏の情報不正入手の目的は,個人的な興味と嫌がらせである。
I氏は,原告の個人情報の入手が,会社とは無関係の個人的依頼であり,また役員ではない自己の役職では無理があると考え,上司のN氏取締役に仲介・口添えを依頼したのである。
被告会社は,過去に,代表取締役社長,山下耕平氏(以下 山下氏)の義姉の所持金を調べる目的で,同みずほ銀行京橋支店担当者に対し調査を依頼し,不正情報入手に成功している。
また,資産管理をしている被告会社創業者本家O家の銀行口座に,多額の入金がある都度,旧三和銀行京橋支店担当者から,O家ではなく被告会社に対して使途についての問い合わせがあった。
銀行・証券会社出身者も多く在籍しており,被告会社社員は,銀行の個人情報管理の杜撰さを熟知している。
みずほ銀行と被告会社は,旧日本興業銀行時代から濃密な人的関係を有している。
被告会社は,みずほ銀行八重洲口支店の営業成績向上のため,年度期末において多額の取引残高で協力を行い,その結果,O行員は営業成績優秀により行内表彰を受けている。
本件個人情報不正入手は,情報取扱上の過失による漏洩事故ではなく,みずほ銀行行員が,N氏を経由したI氏のリクエストに応じ,一個人の情報を抽出した後,銀行行員側から電話連絡を行っている。
O行員・I氏両名の一致した利害によって為された犯罪であり,非常に悪質である。

 


 第4 <隠蔽行為>
以下,原告の証拠に基づいた不正調査依頼に対し,被告会社の対応・経緯である。

{1} 原告は,平成20年2月7日,被告会社京橋本社を訪問し,I氏の個人情報不正取・横領について,調査を依頼した。

{2} 被告会社は,K相談役とT秘書課社員が対応し,原告の説明を聴取した。
しかし,持参した証拠テープの確認を拒否し,重ねて調査処分結果の回答通知も拒否した。
原告は,I氏の証言を録音する過程で,I氏が長年に亘り収集した不正書類の複写を譲り受けた。
I氏が,原告に対し,不正証拠書類の複写を渡した理由であるが,原告を畏怖する目的と自己顕示と推測する。

{3} 同年2月8日,被告会社・総務課K社員より電話連絡があり,体調不良の原告に代わり母Y子が対応した。
K社員は,I氏本人が個人情報不正入手・横領・書類持ち出しについて認めたと話した。

{4} 原告は,不正調査を促すため,被告会社宛に会社及び山下氏個人の不正書類の一部複写を送付した。

{5} 同年2月12日,原告が送付した不正証拠書類の到着を受けて,K社員から電話があり,I氏本人が,個人情報不正入手・横領・書類持ち出しについて,否認に転じたこと,社内調査を打ち切ったことを告げられた。

{6} 原告が被告会社宛に一部送付した書類には,山下氏個人の不正に関係する証書が含まれており,役員社員らは,山下氏の激高を恐れ、証拠書類の存在とI氏の不正を告げていない。
原告は,社長山下氏への取り次ぎを依頼するが,長期海外出張中であり,帰国時期は未定であることを理由に,面会を拒否した。 
しかし,山下氏は1月下旬に米国出張から帰国した直後であり,また子会社を介し買収したチーズケーキ屋の新規立ち上げの時期でもあった。
経営最高責任者の帰国未定の長期出張は,通常一般常識では考えられない。

{7} 同年2月20日,社長宅に調査依頼の書簡を送付する。

{8} 同年3月1日,被告会社・島田顧問弁護士より内容証明郵便(甲第7号証-1)を受領した。
内容は,I氏から譲り受けた不正の証拠書類を送付するように記されていた。
証拠録音テープの確認やヒアリングは一切無く,唯一,原告の所有する不正証拠書類の入手に固執した。

{9} 本家O氏 社外監査役宅宛て,調査依頼の書面を送付する。

{10} 同年4月10日,再度,島田弁護士からの内容証明郵便(甲第7号証-2)を受領した。
書面には,社長山下氏自らが幹部社員立ち会いの下,聞き取り調査が完了していること,調査依頼の書面を送付しても迷惑行為として対応しないこと,司法捜査当局に通報することが記されている。
不正証拠書類の入手を目的に強要行為に及んだものである。

{11} 同年6月16日,島田弁護士宛,証拠書類及び証言テープ内容を抜粋した書面を,被告会社株主総会に間に合う時期に送付した。

{10} 平成20年6月18日,留守番電話にI氏からの伝言が残されていた。
「私に力を貸してくれた人は,みんな出世している」「私も想像(訂正・予定)より遙かに多くの退職金を貰った」という内容である。
(注記。実際には、「退職金も 予定より遥かに多く貰えたし あの 公共のホームページを見ると
私に 力を貸してくれた人は みんな 出世して昇格しているみたいですよ
え~ 電話が 気まずかったら メールを下さい
それじゃあ また電話します。」という内容  録音再生はコチラ)

同日,被告会社ホームページにて,関係者昇格人事を確認した。
同年6月24日,I氏の手紙を受け取る。
内容は,退職予定日(同年3月24日)を延期され,同年4月30日付,無事に退職したこと,仕事を再開したことが書かれている。
追って,被告会社株主総会において,役員人事及びI氏への退職慰労金贈呈が決議承認された。
I氏に力を貸した直属の上司専務が副社長に,N氏取締役は常務に,窓口担当の総務K社員は平取締役に,それぞれ昇格している。
事態収拾の尽力に対する報償人事により,不正調査終了を既成事実化したものである。

{11} 同年8月18日付,再度,社長山下氏宛て調査依頼の書面を送付する。
同年8月31日,返信(甲第7号証-3)があり,不正入手は認めない,しかし弁護士事務所において損害賠償の話には応じる旨,記されている。

{12} 同年9月10日,被告会社に対し提訴前予告通知及び照会書を送付する。

{13} 同年9月23日(甲第7号証-4),同年10月9日(甲第7号証-5),島田弁護士より書面回答を受け取る。
内容は,I氏が書類持ち出しを認めたこと,既に十分な調査を行い適正に処理をしていること,調査結果については,照会が不適法であり,回答の法的義務は無いことが記されるに留まり,担当弁護士を三人体制に増員した。
書簡中にある書類持ち出しに対する適正な処分とは,退職慰労金贈呈である。
被告会社は,何ら物理的な検証作業を行わず,慰労金を口止め料として支払い,調査を終了している。

被告会社とは,訴外における解決は不可能であると判断し,提訴に至る。



 第5 <嫌がらせ・ストーカー行為>

以下,I氏が原告及び母Y子に対し行ったストーカー行為及び嫌がらせの経緯を述べる。

平成18年5月,パソコンレッスンでI氏と同席した日に,カード入れ・メモ書きを挟んだ手帳を紛失した。それ以降,I氏に本名を知られるようになる。
原告は,名前の読みが難解なため平素は通称名を使用しており,郵送物も通称名での配達が可能である。
I氏は,原告の名前が珍しかったために,前回の山下氏の義姉よりも容易に個人情報が入手出来ると考えた。

平成18年9月,原告及び母山下子の個人情報を示しながら,「みずほ銀行使っているでしょ?」,「K(前の住所)に住んでいたよね?」,「俺は不動産屋だから何でもわかるんだよ」と告げ,脅迫に及んだ。
他に,原告自宅宛て,違法わいせつDVDのカタログ(甲第11号証)を送付し,嫌がらせを行った。

平成19年1月,I氏は原告に対し,元妻の保険証複写(甲第10号証),年金手帳複写(甲第13号証)を無理矢理に渡し,銀行以外に証券会社や税務署からも情報入手が可能であり,逃げても無駄であるとして脅迫に及んだ。

調査依頼後の嫌がらせ行為について述べる。
平成20年5月11日,I氏から手紙(甲第8号証)を受け取る。
その内容は恫喝に始まる。「関係先には,M(原告の姓)包囲網が出来ている」,「手紙を送り続けたり,あなたのあんな事を知っているなどと,このまま続けると,とんでもないことになる,こんな事は,もう止めて,真面目に働け」「一度話を聞いてみたい」と書かれていた。
最後に「今日は母の日です,お母さんを大切に」で締め括られている。
I氏は作為的に母の日に手紙が到着するように投函している。
銀行から不正入手した個人情報により,原告が母子二人暮らしという家族構成であることを知った上で,原告ばかりか母Y子に対しても脅迫を行っている。
他には,平成20年2月25日,同6月24日に,I氏から手紙を受け取っている。

平成20年6月18日のI氏から留守番電話に録音には,次のように残されている。
「私に力を貸してくれた人は,みんな出世しているみたいですよ」「私も想像(訂正・予定)より はるかに多くの退職金を貰った」
また,他には「金が最高値を更新している,金を出すから」といった人の良心を金で買うような発言が残されている。

調査依頼後,一旦は嫌がらせの電話が途絶えていたが,平成20年5月22日より再発した。以下,日付と回数である。

2009年5月22日 20:06
2009年5月22日 20:06
2009年5月27日 14:18
2009年5月30日 12:59
2009年6月1日 6:19
2009年6月7日 16:17
2009年6月10日 13:07
2009年6月18日 14:57
2009年6月18日 15:59
2009年6月23日 16:28
2009年7月11日 14:45
2009年7月11日 16:10
2009年7月11日 16:11
2009年7月25日 12:30
2009年8月1日 21:05
2009年8月8日 16:50
2009年8月19日 15:58
2009年8月19日 16:00
2009年8月19日 17:23
2009年9月2日 16:48
2009年9月2日 22:48
2009年9月3日 16:33
2009年9月3日 16:34
2009年9月5日 14:29
2009年9月5日 14:30
2009年9月26日 23:46
2009年9月26日 23:47
2009年10月1日 14:33
2009年10月1日 14:33
2009年10月2日 14:34
2009年10月3日 14:26
2009年10月3日 14:27
2009年10月7日 14:45
2009年10月7日 14:47
2009年10月7日 15:31
2009年10月7日 15:31
2009年10月16日 12:39
2009年10月16日 12:40
2009年10月16日 12:42
2009年10月16日 15:11
2009年10月16日 15:13

度重なる電話により,精神的苦痛の限界に達し,携帯電話の着信を拒否した。
その後,I氏は,携帯電話が繋がらなくなると,自宅に訪ねて来るようになった。止むを得ず,生活拠点を移すに至る。


 第6 <主な関係者の人的役割,性格・エピソード>

{1} 被告会社代表取締役社長 山下氏は,被告会社子会社関連会社の会長・社長を務めるグループ企業の総帥である。他に,セコム株式会社の社外監査役を兼務する。
山下氏の義理の姉は,高齢の上に身寄りも無く一人暮らしであった。もし野垂れ死んだりすれば,山下氏一族の名折れであり新聞沙汰になる。それでは非常に世間体が悪く,何としてもホームレス状態や発見が遅れるような孤独死は,避けなければならない。
そのような身勝手な理由から,居所を探し所持金を調査するために,みずほ銀行京橋支店担当者から個人情報を不正に入手したのであって,義姉に対する親愛の情から発した調査ではない。
不正に所持金を調査した上で,年齢から死期を予想の上で逆算し,義姉に対しコンタクトを取ったのである。■■■■■■■■■■■■■■■■■■。
また,義姉の死後において,通帳に入金が記帳されていることから株券の存在を知る。山下氏は,義姉の後見人ではなく,金銭的な援助はしていない。援助らしき行為は,老人ホーム入所の際の保証人のみである。
山下氏は,I氏に指示し,他の遺産相続人と協議すること無く,不正に銀行口座から預金を引き出し,被告会社金庫に隠匿した。
株券の名義を書き換える際,死亡している義姉の印鑑証明の交付を受けようと目論み,I氏に諌められている。
長年に亘り,義姉の動向を“世話”と称して探り,逐一,山下氏に報告していたのは,担当者のI氏である。
■■■■■,■■■■■■■■■■■・■■■,■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■,■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■,■■■■■■■■■。


{2} 被告会社 元経理部次長 I氏
現在,被告会社を円満退社し,投資助言業を営んでいる。
在勤中の主たる業務内容は,被告会社本家O家の資産管理・運用であった。
他は,山下氏の義姉世話・報告,■■生活費捻出,裏金運用業務である。

I氏は,山下氏の義姉が所有していた東京都港区六本木鳥居坂のマンションを売却する際,不動産会社㈱天地より仲介の礼金として50万円を受け取っている。
山下氏の指示により業務として義姉の世話・報告をし,業務時間内の契約にも関わらず,被告会社に報告を上げず横領し,自らの借金返済に充てたのである。
この横領の件も,個人情報不正入手とともに調査依頼したが,不問に付された。

山下氏の■■や■■の一人が,山下氏姓を名乗るため,改姓に及んだ経緯を,詳しく証言している。I氏は,証券会社を通じ,元妻の所有していた国債や証券取引内容を不正に聞き出している。

I氏は,山下氏の■■Aが所有するマンションの借入金の返済リストを管理していた。
■■Aの脱税に絡む証拠を入手するため,証券会社に依頼し,全ての証券取引履歴が記されている顧客勘定元帳の入手を試みた。
O家の資産の全容を知るのは,I氏ただ一人である。
その希少性を悪用して,O家姻戚のM前会長や発言力のある元役員に後押しや口添えを頼み込み,O家と養子縁組してもらえるよう取り入っている。

{3} 被告会社常務取締役 N氏
個人情報不正入手当時は,経理担当・平取締役であった。
長年に亘り,経理畑一筋で,被告会社の金の流れを全て知る。
山下氏の信任が大変厚く,■■Cの姉の■■■の帳簿付けや山下氏個人の確定申告も担当している。



 第7 <隠蔽に至った動機>

以下,被告会社が,個人情報不正入手の隠蔽に至った動機について述べる。

被告会社が,個人情報不正入手について調査処分せず隠蔽に至った理由については,I氏が被告会社内の不正証拠書類を所有していることに加え,I氏自らが直接の関与者であることが挙げられる。
I氏は勤務開始当初から,保身・金銭・退職慰労金目的で,山下氏及び会社関係の不正証拠書類を,大量に収集し所有していた。その量は,優に段ボール箱2箱を超える。
連日,早朝だけでなく休日出勤を繰り返し,施錠がなされるまで社長室にも侵入し,ゴミ箱を漁り,書棚をチェックし,経理関係を始め全社員の机周りの書類の収集するのが日課であった。
また,I氏は,書類収集以外にも,裏金の引き出し運用,社長個人確定申告,脱税に関係したマンション返済リスト管理,他,■■生活費捻出など,表に出せない業務を担当している。

I氏は,原告の不正調査依頼後,平成20年4月30日付で退職慰労金の贈呈を受け,円満に退職している。現在は未登録の投資助言を営み,被告会社に顧問として復帰を果たしている。

社則を変更し退職慰労金贈呈が可能になった理由は,運転手に対する口止め料である。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■,■■■■■■■■■■■■■。事情を知る担当の運転手に対する口止め料として,勤続一年足らずにも関わらず1000万円を退職慰労金の名目で支給している。
I氏は,その際の経緯を,退職した運転手の同僚の運転手より聞き及び,自らも退職慰労金を入手したいと考え,一層,不正証拠書類の収集に励んだのである。
他にも,社長の■■や■■のうちの一人が山下氏姓を名乗るため改姓に至った経緯や,本家分家間,兄弟の確執など山下家の事情にも非常に詳しい。
また,O家の資産の全容を把握し,運用可能な唯一の担当者であり,希少性も持ち合わせている。

I氏が自ら不正を証言するテープの中に,次のような部分がある。
「俺は家族も何もない,失うものは何もない,このセリフ怖いよね」。
もし会社を解雇されれば,社長宅へ■■関係を書き記し,故意に夫人の目に留まるよう葉書で送り付ける,雑誌社に送るといった発言が記録されている。

 被告会社の東京都品川区五反田における不動産取引について,NTTに絡む大手町ファーストスクエアの不動産等価交換取引に疑念を持った不動産部社員と,取引先不動産会社及び社員血縁の仲介会社が共謀し,20億が手数料として消し込まれる事案が発生した。この件からI氏は,不正の証拠は保身と共に,金銭的価値が高いことを再認識する。・・・・・参考資料 日経新聞へ
経理担当役員のN氏は表の経理を全て担当し,■■Cの姉が東京都■■■■■において経営するクラブの帳簿付けや,社長個人の確定申告を任されるなど,山下氏の信頼が厚く,千代田電電ビル等価交換取引当時は経理部長であり,裏の事情にも明るい。

I氏・N氏両名は一連托生の関係であって,I氏を解雇処分すれば仲介役のN氏の処分も免れない。屋台骨の経理取締役の関与した不正入手を認めることは,取締役会全体の責任問題でもあり,調査処分が出来なかったのである。
山下氏及び被告会社の命運を握るI氏を処分することは,自滅を意味しており,I氏同様,■■■■保身能力の強い山下氏・被告会社は,隠蔽する道を選択した。その結果,原告に対する侵害行為は継続され,さらに再発の危険を高度に孕んでいるのである。


以下,I氏より入手した不正証拠書類及び録音テープより,過去の不正の一覧である。

一覧
A NTT土地等価交換・不正税務処理・贈賄
B 役員持株会
C 脱税・特別背任
D 会計監査人との癒着
E 保険業法違反
F 株主の権利行使に対する利益供与・金融商品取引法違反
G ■■■■
H 顧問弁護士による脅迫強要行為



 A 大手町ファーストスクエア・NTT土地等価交換・不正税務処理・贈賄

{1} (はじめに)

日本電信電話株式会社(以下 NTT)は,東京都千代田区大手町において,地下2階・地上9階建てビル,千代田電電ビルを所有していた。
被告会社は,同ビルのうち,地下1階一部分・2階の一部・3階・4階部分を所有していた。
昭和63年,千代田電電ビルを取り壊し,大手町ファーストスクエアに建て替えるにあたり,被告会社所有の建物部分の比率に相当する土地と取り壊し予定の建物を,等価で無いにも関わらず等価として処理し,差額無しで交換を行った。
(甲第2号証 不動産登記簿謄本 )
交換による差額分は,NTTから被告会社に対しての無償供与である。
また,土地の差金無しの交換は低額譲渡であり,本来課せられるべき法人税も免れている。
当該資産の等価交換には,二つの問題点がある。
一つ目は等価で無いものを等価で交換したこと,二つ目には課税処理である。
被告会社は,NTT及び政府に対し土地と建物を等価で交換するため,政治評論家に対して口利き料として3000万円を渡している。
口利き料の裏金3000万円を用意し,補填のための株式運用を担当していたのが,I氏である。
当時N氏は経理部長の職にあって,担当者として直接関与している。 

{2} 大手町ファーストスクエア建築にあたり,取り壊した千代田電電ビル建築当時の経緯について  

千代田電電ビルは,昭和32年,被告会社が,旧電電公社より工事を請け負い,建築したものである。
被告会社は,旧電電公社の工事を主として行い,千代田電電ビルの他にも,霞が関・神戸三ノ宮・日比谷(現NTT本社)を建築し,その一部を所有している。
 
被告会社は,主として電電公社の仕事を請け負うために作られた会社である。
当時の国会議事録(甲第4号証)には,被告会社は,創立者・役員の政治力を使い,電電公社法・予算法の枠を超え随意契約で工事を請け負い,“トンネル会社”“電電の外郭団体”,また建築局から“デタラメな会社”と評価されているという記録が残されている。
国会質疑の中で,被告会社は,創業僅か一ヶ月足らずで,全く業績が無いにも関わらず,高額な工事を請け負っていることを指摘されている。
電電公社側は,他,建築大手数社に照会を行い,断られた経緯を答弁しているが,建築会社の回答書面との食い違いを,野党議員に厳しく追及されている。
建築工事自体は,被告会社が直接担当せず,他の建築会社に丸投げをしている。
電電公社側からすれば,被告会社分のマージンが余分な支出ある。
当時の国会質疑において,電電公社側の説明員として,後の総裁で被告会社元相談役の秋草篤二氏が答弁されている。


{3} 取り壊しから、等価交換の経緯について

時を経て,千代田電電ビルを取り壊し,大手町ファーストスクエアを建築するに至る。
NTTが所有する千代田電電ビルの一部を被告会社が所有していた。
土地はNTTの所有であり,被告会社はNTT対し,地代を支払っていた。
千代田電電ビルを取り壊し,大手町ファーストスクエア(東京都千代田区大手町)を建築するにあたり昭和63年9月16日,被告会社所有の建物部分と,その持ち分比率に相当するNTT所有の土地を交換した。
当時の時価で38億相当のNTT土地所有権と,取り壊し目的の建物の一部を,差額金額無しで,等価として交換したのである。
現在,大手町ファーストスクエアの建つ土地は,被告会社の子会社・東西エステートに名義変更され,平成19年度決算報告書(甲第3号証-2 4ページ)では,時価87億円と評価されている。(平成18年度に訂正)
被告会社は,国税局と協議の上,不動産取得税・印紙税のみを納税し,残存簿価1円にプラスし,7405,2001円を計上し,会計処理を行っている。
(甲第3号証-1 第78期 公共建物株式会社・財産目録8ページ)




{4}  等価で無い理由

当該土地は,不動産取得税から逆算し,交換当時の時価で38億円相当である。 等価交換が成立しない理由は
・大正12年築の旧電話局施設とH型に連結しており、老朽化が激しいこと
・千代田電電ビル建築時の資産価値は,被告会社が,総工費11億1887万円で建築を請け負っており,被告会社の持ち分比率は三分の一程度であること
(国会議事録 甲4号証50ページ 衆議院決算委員会 昭和36年5月24日)
・通信施設としての減価償却が済んでおり,改修・保守費用を勘案すると,その資産価値は非常に低いこと
・昭和62年より,大手町・丸の内・有楽町の再開発事業が始まり,立ち退かねばならないこと
・被告会社のテナントであった丸善石油がコスモ石油合併に伴い立ち退き,賃貸収入が得られなくなること
・立ち退き保証料は,あくまでも家賃収入が見込める時に発生すること
・千代田電電ビルはNTTと共有の建物であり,賃貸先変更や譲渡時にはNTTの承認を得なければならず,制約付きの資産であること
が挙げられる。
以上の理由から,滅失予定の建物に38億円の価値は有り得ず,何らかの理由で保証料が支払われたとしても,低額譲渡として処理されるべきである。


{5} 手続き
昭和63年当時はNTT民営化直後であり,日本国政府のNTT株式保有は51パーセントである。
主たる資産の処分には政府の承認が必要であるが,正規の手続きを経ているか不明である。また,不動産鑑定に関する手続きも不透明である。
民営化当時は,電電公社の多くの不動産を民間に売却している。I氏の証言によれば,民営化の混乱に紛れることにより,財務報告において,たやすく数字を丸め,総計で処理することが可能で時期であった。


{6}  税法上の問題
被告会社は国税局と協議の上,不動産取得税印紙税のみを納税し,法人税は課税されていない。
資産の交換に伴い課税されない特例として,固定資産交換の特例が所得税法58条に設けられている。この特例は,資産の種類が同種であり,かつ同一用途に供される資産同士の交換であって,時価の差額が2割以内と定められている。
また,特例を適用すれば,譲渡が無いものみなされ無税となる。 
特例における交換では,必ずしも客観的な時価取引でなく,両者合意の主観的な時価取引も認められる。
しかし,当該交換は,一方は土地,もう一方は滅失する建物であり,また差額においても2割を超えており,交換特例の要件を満たしておらず,原則時価取引での処理が適法であり課税対象となる。
また他に,事業用資産買換え特例(租税特別措置法第37条)について照らしても,全く無税ではない上に,平成10年度改正までは建物に対し適用がない。
本来なら,土地についてはNTT側の低額譲渡になり,建物分を差し引いたとても38億の時価で譲渡したとものとみなし,被告会社側は受贈益として,NTT側は寄付金として会計処理がなされ,双方に法人税が課税される。
被告会社は,古くから国税局・税務署より多数の天下り税理士を受け入れている。当該交換の会計処理は,税務調査において,国税担当者と協議の上でなされており,税法を超えて,国税局員の職権において不正な税務処理をしたものである。


{7} 不当利得 
交換による土地建物差額分は,NTTから被告会社に対して無償で提供されたものであり,不当な利得である。NTT関与者は,任務に違背して被告会社に利益を図り,財産上の損害を加えており,背任罪に相当する。請託を受けて,口利き料として賄賂を収受しており,刑法197条に触れる行為である。
NTTとの人的関係は,第4代・秋草篤二総裁が,退任後,被告会社の相談役を務められている。また,被告会社の今井敬社外取締役は,NTTの社外取締役も兼務されている。


{8} 口利き
口利き料の3000万円は,山下氏が保証人になり,当時被告会社会長であったM氏が,旧三和銀行より借り入れたものである。
5000万円の借入れを起こし,3000万円を口利き料として使用した後,残りの2000万円を,I氏が株式運用で補填し,完済した。3000万の引き出しも,I氏が担当している。
政府・NTTに対しての口利き料は,被告会社が中曽根政権時代に政府税制調査会特別委員を務められ,リクルート事件で辞任された政治評論家の飯島清氏に仲介を依頼し,渡したものである。
別途,国税局に対しては,被告会社担当税理士であるD元国税職員が口利き担当している。


反訳書 甲第1号証-1 甲第1号証-2 甲第1号証-3  
不動産登記簿謄本 甲第2号証
被告会社子会社 東西エステート 財産目録 資産移し替え 甲第3号証拠
国会議事録 甲第4号証



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第8<被告会社と旧日本興業銀行(現みずほ銀行),アラビア石油の人的関係>

被告会社の創業者である山下太郎氏の興したアラビア石油株式会社(以下 アラビア石油)は,日本興業銀行の援助により設立されたものである。創業初期には日本興業銀行元総裁が,退任後に被告会社代表取締役に就任している。
山下氏の子息である常務は,山下氏個人の友人で後に被告会社社外取締役に就任した旧興銀会長(現みずほ銀行)の縁故で興銀に入行している。
被告会社顧問弁護士島田邦雄氏は,みずほ銀行と共通の法律顧問である。同法律事務所には,元興銀顧問の後に,アラビア石油会長を務められた小長氏が客員弁護士として在籍されている。
被告会社と個人情報の漏洩元みずほ銀行は,旧興銀時代の古くから濃密な人的関係が構築されている。個人情報の受け渡しに関し,外部漏洩であるという認識は低く,行内社内といった身内に対しての問い合わせに等しい性質のものであったと言える。
以下 人的関係
●伊藤謙二氏       元興銀総裁 公共建物株式会社代表取締役社長
●松根宗一氏       興銀退任後 公共建物株式会社監査役
●小長啓一氏       元興銀顧問 アラビア石油会長
                公共法律顧問事務所・客員弁護士として在籍
●島田邦雄弁護士    みずほ銀行顧問弁護士 富士総業(親会社)監査役
                みずほ銀行債権回収株式会社常務取締役 
                みずほグループ・サービサー
●池浦喜三郎氏      興銀会長退任後 公共建物株式会社 社外取締役
●山下氏子息        興銀勤務 公共建物株式会社常務 
                興銀会長の池浦氏の縁故により入行 
●平岩外四氏       アラビア石油社外取締役・公共建物株式会社社外取締役


 第9 <企業体質>

{1} 不正調査について
正しい不正調査には,利害関係人を除く独立公正な立場の担当者によってなされる詳細なヒアリングと物理的な証拠確認が,不可欠である
被告会社は,原告の調査申し入れに対し,録音テープの確認を拒否している。

平成20年4月10日付(甲第7号証-2)及び同年10月9日付(甲第7号証-5)島田弁護士の内容証明郵便書簡には,幹部社員立ち会いの下,社長山下氏自らがN氏I氏両名に聞き取り調査を行い,十分な事実関係の確認済みであると回答結果を得ている。
しかし,山下氏の不正の証拠書類を30余年に亘り収集し所有するのが,調査対象のI氏である。他役員も補佐的に不正に関与しており,山下氏同様,不正調査には 不適任である。
身内が身内に対して行った裏付けのない調査は,公正中立が担保されておらず無効である。
   
{2} 監視機能について
被告会社の不正は,同族譲渡制限付き非公開会社であり,第三者・社会の監視の目が届かない事が,その背景にある。
社外監査役は,本家同族である。社外取締役は,霞が関コモンゲートPFI事業を共同した新日鉄元会長で,尚且つNTTの社外取締役も兼務されている関係から,被告会社と利害が一致する。
また,親会社富士総業の監査役は顧問弁護士が兼務し,双方からの報酬を一にしており,監視機能は元より期待できない。
会計監査人は,監査対象の被告会社より,証券取引仲介の手数料として報酬を受け,利害関係があり,不適格である。
公的監視機能である税務署に対しても,天下り税理士を多数受け入れており,備えは万全である。
不正監視機能は麻痺しており,無力無能である。

{3} 公私混同及び公序良俗違反,人権軽視について
被告会社は,昭和28年4月,アラビア石油創設者山下太郎氏一族の個人財産管理と旧電電公社取引のために設立されたものである。昭和42年に死去された太郎氏の相続も,被告会社社員が手続きを行っていることから,公私混同は,古くから受け継がれた体質と言える。
他には,本家O家の資産管理を,I氏が一任して行っている。また,山下氏個人及び■■の世話一般業務は,主にI氏・N氏が行っており,N氏は表の経理,I氏は裏の経理担当である。
■■■■■■■,■■■■■■,■■■■■■■■■■■。
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過去に,山下氏の義姉の個人情報を,みずほ銀行京橋支店より不正に入手し,死後に残された銀行預金を他相続人と協議せず不正に引き出し,会社内金庫に隠匿した。預金引き出しは,違法であることを承知の上で,山下氏の命により,I氏が行ったものである。■■■■,■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■,■■■■■■■■■■■■■■■■■,■■■■■■■■■■■■。このような行為が温床となり,不正を不正と思わぬ社風を醸成し,原告に対する侵害行為に繋がったのである。

{4}土壌・社風
被告会社の体質は,前近代的で時代錯誤が甚だしく,社員の言葉を借りれば,使用人は,“仕える身”・“お側用人”であって,封建時代の遺物と言える。
図体こそは大きいが,脳神経系統が極めて貧弱であり,制御の利かない状態は狂った巨象の如く凶暴で,危険である。
諸悪の根源は,経営責任者山下氏の資質にある。会社は公器であって,経営者の玩具ではない。


 第10 <損害>

{1} 証拠収集の過程
原告は,被告会社元社員I氏から,原告及び母Y子の金融個人情報入手され,脅迫を受けた。
I氏が,家族の個人情報を示した時に,法的手段を取ることを告げると完全に口を閉ざしてしまい,不正入手の方法や経緯に関する質問には,一切答えなくなった。
このままでは,依然,脅迫・嫌がらせが続く中で,言った言わないの水掛け論に終始し,不正入手を立証することが出来ないと考え,証言をテープに残すことを決意した。
録音は,不測の事態に備え,友人に戸外で待機を依頼し行ったものである。 
人格を落とし馬鹿になり,直接対峙しなければ,違法行為の当事者たるI氏自らの証言は得られず,事実の追及の道が遠のいてしまう。感情を抑え同調し証言を得る過程は,精神的苦痛を伴い堪え難く,次第に心身の自律機能を崩し,加療生活を余儀なくされたのである。

I氏からの謝罪や悔恨の意は,ただの一度も見られず,むしろ得意げでさえあり,個人情報の再度入手を予告するなど,脅迫行為を継続させた。

{2} 金融個人情報・危険性
銀行の取り扱う個人情報からは,支店名・口座番号・住所・生年月日・家族構成を始め,取引内容として振込先・金額・日付・自動振り込み設定内容・使用ATM・利用支店などが漏洩し,行動範囲や取引・交友関係が容易に推測出来る。           
近年,一部の与信業者や信用情報機関からの情報漏洩が社会問題化している。銀行保有の個人情報以外に,銀行が加盟する信用情報機関の情報相互交換によって,クレジットカード決済・購入履歴・資産状況の漏洩する危険性もあり,ガラス張りの状態で24時間監視を受けると同様の生活を強いられている。
金融機関の個人情報漏洩やストーカー事件が多発している状況で,時代の要請を受け,法の整備も進んでいる。しかし,本件のように金融機関と取引先企業が結託してしまえば,不正は隠蔽され個人のプライバシーは無いに等しく,いとも 簡単に踏み躙られるのである。

{3} 他 金融機関からの不正入手の危険性
被告会社は,みずほ銀行のみならず,取締役副社長・常務取締役を初め金融機関出身者が多数在籍している。その人的関係は,非常に濃厚であり,また,その資力から,取引において極めて優位な立場にあると言える。被告会社は,三大銀行と多額の取引があり,一銀行を足掛かりとし,他の銀行から情報を入手する可能性は否定出来ない。
I氏は,被告会社本家の時価数百億と言われる資産の運用を一任で担当している関係で,証券会社担当者を威圧出来る状態にある。その立場を利用し,山下氏の■■Aの相続税脱税に関係する証拠を入手するため,顧客勘定元帳の取り寄せを 画策した。
みずほ銀行京橋支店に対しも,山下氏の義姉の預金残高を,本人に無断で調査し 不正情報入手に成功している。
これらの経緯は,テープに録音があり反訳書として提出する。

I氏は個人的にも,元妻の所有する国債額や株式内容を証券会社に無断で問い合わせしている。
また税務署に関しては,天下り税理士を長年に亘って多数抱えており,税務調査以外も,阿吽の呼吸,ツー・カーの仲であり,税務署内のネットワークを利用し,他個人の資産状況を聞き出せる関係にある。 
I氏は,原告に対し,これら2つの実例を挙げ,銀行以外に証券会社や税務署からも情報入手が可能であり逃げても無駄であると告げ,I氏元妻の保険証複写(甲第10号証),年金手帳複写(甲第13号証)を強引に手渡し,脅迫に及んだのである。
現に,他税務署で個人情報の漏洩や天下り税理士癒着問題が実際に起きている中,不安な毎日を過ごさざるを得ない。

本侵害行為は,被告会社の資力に裏付けられた優位性・金融機関との濃厚な人的関係・倫理感の欠如といった企業の特異体質と,I氏の粘着質な性格が,複合して引き起こしたものである。この関係性が成立する間は,再発の危険性が保持される。
現在I氏は,被告会社を円満に退職した後,投資助言業・投資顧問として被告会社に復帰しており,再発の危険性は変わらない。

{4} 名誉感情侵害
I氏は,みずほ銀行から原告の個人情報を不正入手する際に,再婚相手の身元調査としてN氏に仲介を依頼している。人格が劣り尊敬に値しない人物に,例え嘘・方便と言えども,再婚相手呼ばわりされたことで,原告の名誉感情は深く傷つけられ,回復は不可能である。

{5} 訴訟に至る過程
被告会社は,原告の不正調査の申し入れに対し,自らの保身・組織防衛のために不正を隠蔽し,侵害行為を継続させている。
自らの人権を守るためは,司法による救済以外に道は無く,大企業・銀行に対しての提訴を余儀なくされたのである。
係争とは無縁の生活を送る原告にとって,訴訟にまで至らされた精神的負担は甚大である。

{6} 継続による侵害
被告会社に対し不正調査申し入れた後も,I氏の嫌がらせ・ストーカー行為は継続している。


{7} ストーカー・嫌がらせ
母の日に送付された脅迫の手紙や,日に何度も連続した電話,ゲリラ的な自宅訪問といった嫌がらせの中で,家族共々,生活の拠点を移動するなど,防御のため,あらゆる手段を講じざるを得ない。不安恐怖と不快の合い混ざった感情の中で,心身共に疲弊し,平穏とは程遠い生活を強いられている。


 第11 <立証責任の転換>

本訴訟は,大企業対一個人の構図である。
被告会社は,同族譲渡制限付き非公開会社であり,その閉鎖性から,株主・債権者の立場で無い原告は,証拠へアクセスする手段がない。
交渉過程において,不正調査依頼・処分開示に対し,また提訴予告通知後の照会に対しても,被告会社側の有効な回答は一切無く,止むを得ず訴訟に至った経緯がある。

我が国の大多数の企業が非上場であり,そのうちの多くが同族企業で占められている。
本件は,証拠偏在が顕著であり,証拠提出能力に劣る原告の立証活動は,困難を極めている。
係る現状では,医療過誤・製造物責任・薬害訴訟等と同様に,訴訟上の武器不平等の問題が生じ,被害者の主張立証の機会が確保されず,不当に制限を受けざるを得ない。

司法には,適正公平な紛争解決と被害者救済の見地から,証明責任の分配の修正の適用を求める。



 第12 <人格権における妨害排除予防請求権について>

物権同様の排他性を理由に,人格権についても,妨害排除や妨害予防の請求権が認められており,人格権に基づき差止請求が認められることは,判例として確立されている。

人格権に基づく差止請求権が認められる条件として,大阪地裁平成5年12月24日 判決において
(1)その侵害による重大な危険性が切迫し 
(2)その侵害により,回復し難い損害が生じることは明らかであって
(3)その損害が,相手方侵害者の被る不利益よりも,はるかに大きな場合で
(4)他に代替手段がなく,差止が唯一の最終手段であることを要する
とされている。

原請求に照らしてみると,既に人権侵害が発生し継続され,さらに侵害行為が繰り返される可能性が非常に高く,本侵害行為は差止請求が認められるべき4つの要件を全て満たしていると言える。

原請求における公表は,謝罪や誓約を求めるものではなく,憲法19条において保障する思想・良心の自由を侵すものではない。
また,妨害予防請求は行為の差止ではなく,排除予防の手段を作為義務に基づく自主的な公表に求めるものであるから,何ら,被告会社の権利や経営の自由を制約するものではない。



 第13 <公表義務>
{1} 2つの公表義務
取締役会は,善管注意義務に基づく作為義務である内部統制の一プロセスとしての公表義務があり,許認可業者としては,消費者社会に対する信義誠実の原則に基づいた説明責任を負っている。
被告会社は二重の意味で,個人情報不正入手を不祥事案として,社会に公表する義務を負っている。

{2} 善意管理注意義務違反
内部統制とは,企業の法令遵守と業務の適正化である。
取締役は,会社に対し,善意管理注意義務・忠実義務・監視義務を負っている。
取締役は,法定の3つの義務を根拠に,各企業の規模業態に相応な内部統制の構築が義務付けられているのである。
経済産業省は指針として,内部統制について,4つの目標と6つの要素を示しており,目標の一つは”法令遵守”,また要素の一つには”情報と伝達”が含まれている。
”情報と伝達”とは,社内の情報のみならず,社外からの意見・クレームの吸い上げ,社外に対する情報開示・説明責任も含まれている。
取締役会に対しては,内部統制の一要素である情報開示が,法定の義務として求められているのである。

平成20年2月12日 最高裁ダスキン株主代表訴訟において,取締役の不祥事公表義務を認める判決が確定し,不祥事を隠蔽することは,善意管理注意義務違反であり,公表義務があることが認められた。
法は,株式会社が,経済社会において重要な地位を占めていること,しかも株式会社の活動は,その機関である取締役の職務執行に依存するものであることを考慮して,第三者保護の立場から取締役の責任を定めている。原告の立場は,株主以外の第三者であるが,取締役は,株主に対してのみ責任を負うものではないことは,会社法429条からも明らかである。

{3} 規模・業態
被告会社は,不動産建築販売,貸しビル業を営むグループ企業であり,その資力は大会社に匹敵する。
親会社富士総業の主たる株主は,秋田教育委員会認可・財団法人山下太郎顕彰育英会であり,また霞が関コモンゲートプロジェクトにおいてはPFIとして日本政府投資銀行から融資を受けるなど,官民共同の事業に携わっている。
 創業当時から主な取引先は,旧電電公社・NTTであり,事業の公益公共性も併せ持っていると言える。
被告会社は,許認可受け業と為し,大規模オフィスビルの不動産賃貸業を営んでおり,建築業者としては,一般向け分譲住宅・マンション・大規模オフィスビルの建築を行っている。同時に子会社において,ビルマンション管理業を営んでいる。
各種業法によって,発注者消費者保護の観点から,申請書類・他財務状況を閲覧に供することが義務付けられているように,消費者にとって,業者の情報は必要不可欠なものである。
また貸しビル業者としても,多数の賃貸先上場企業には,各々顧客・株主が存在しており,連鎖して広く社会に対し説明責任を負っているのである。


{4} 信義則
民法は,第一条に,信義誠実の原則を掲げている。
信義則とは,一般社会や共同生活の場において,個人の権利の行使や義務の履行に当っては,相手の信頼や期待を裏切ることなく,誠意をもって行わなければならないとする法理である。
言うまでもなく,民法の基本の精神であり,人として当たり前のことを当たり前に,為すべきを為せという意味合いである。
商行為の基本は信用であり,事業を営む者は,通常一般人以上に信用を重んじねばならない。広く社会は潜在的消費者であって,不正を隠し不祥事を公表しないことは,社会に対する信義則違反である。


 第14 <結語>

個人情報不正入手窃取は,みずほ銀行行員の背任,及び不正競争防止法違反であり,I氏は教唆犯あるいは共同正犯に,またN氏は幇助犯に相当する違法行為である。
また事後的に関与した被告会社の隠蔽は,従犯に相当する行為である。

本侵害行為は,被告会社において,内部統制の機能しないことに起因している。
侵害行為の排除に何が必要かという問の解は,被告会社の経営状態の遵法化である。
侵害行為を終了し,さらに再発が予防されるためには,内部統制は元より,社外の監視の機能が必須の条件である。

内部統制の端緒として不祥事を公表することにより,経営の透明性が確保され,社会による監視が機能する。その結果,違法な経営状態が,本来あるべき姿に修正されるのである。
遵法な経営は,原告の利益であると同時に,広く消費者社会の利益である。

本請求における不祥事自主公表は,緊急避難を目的とした自己防衛である。
原告は,人格権に基づく妨害排除及び妨害予防権として,法に人権の救済を求め,ここに提訴する。


 証拠方法
1   甲第1号証-1   反訳書 平成19年8月30日録音
2   甲第1号証-2   反訳書 平成19年10月28日録音
3   甲第1号証-3   反訳書 平成19年12月10日録音
4   甲第2号証      大手町不動産登記簿謄本  
5   甲第3号証-1   財産目録 財産目録 第78期 
6   甲第3号証-2   決算報告書 子会社 東西エステート 36期 
7    甲第4号証          国会議事録 昭和28年~昭和36年度 DB抜粋
8   甲第5号証     K.U氏名義 千葉県冨里ゴルフ会員権証書
9   甲第6号証     平成6年度交付 山下太郎氏 戸籍謄本 写し
10  甲第7号証-1   弁護士内容証明郵便7-1平成20年3月1日受領
11   甲第7号証-2   弁護士内容証明郵便7-2平成20年4月10日受領1枚目2枚目3枚目4枚目
12  甲第7号証-3  弁護士 書簡7-3 平成20年8月31日受領
13  甲第7号証-4  弁護士 書簡7-4 平成20年9月23日受領
14  甲第7号証-5    弁護士 回答書7-5 平成20年10月9日受領1枚目, 2枚目
15   甲第8号証         I氏 書簡 平成20年5月11日 受領
16  甲第9号証     双樹会 保護者会のお知らせ 
17  甲第10号証    I氏元妻 旧姓・保険証 写し
18  甲第11号証    違法わいせつDVDカタログ
19  甲第12号証    スバル興業TOB関連書類
20  甲第13号証    I氏元妻 年金手帳 写し
21  甲第14号証    本家夫人O氏 貸金庫 代理人届 

余,反訳書・書証は,追って提出する。 添付書類訴状副本 1通       
証拠書類 甲第1号証ないし第14号証 写し各1通
商業登記簿謄本 1通